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投資信託は大損するからやめたほうがいい?損しないためのコツとは

資産運用相談コラム編集部

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資産運用相談コラム編集部

金融機関から投資家までを対象に資産運用に関するさまざまな情報を発信。専門雑誌を含め25年以上にわたり取材活動を継続。資産運用アドバイザー業界に関するフォーラムを毎年開催するなど内外の識者、専門家に幅広いネットワークを有する。資産運用に精通したメンバーからなる編集部は、蓄積してきた知見をもとに資産運用に関するあらゆる悩みや疑問を解消し、一人でも多くの方に「資産運用を始めてよかった」と思ってもらえることを励みに日々活動している。

老後の資産形成方法の1つとして、投資や運用を取り入れる人が増えています。実際に、資産運用の一歩目として投資信託や日本株式などへの投資を始めてみた、という方もいるのではないでしょうか。

投資信託は効率的な分散投資が可能で、初心者でも取り組みやすい運用方法です。NISAやiDeCo制度の運用商品に選ばれているのも、比較的安定運用が目指しやすいという理由があるからです。

しかし、投資信託も運用商品の1つですので、元本割れのリスクを完全に避けることはできません。実際、投資信託は大損するからやめたほうがいい、という噂を聞いて不安な方もいるでしょう。

今回は投資信託で大きな損失を被る可能性はあるのか、また損をしないためのコツについて解説します。

目次

株式投資やFXなどと比較すると、投資信託では大損をする可能性が低いといわれています。その理由は投資信託が持つ特徴にあります。

投資信託とは、多くの投資家から小口で集めた資金を一つの大きな資金にまとめ、運用会社にいる運用のプロ(ファンドマネージャー)がさまざまな国内外の株式や債券、不動産といった投資商品に分散して投資し、運用を行う仕組みです。

そして、投資家はそれによって得た利益を投資した割合に応じて受け取ります。

投資信託が大損しにくいとされている理由は以下のとおりです。

リスクが分散されている

投資信託は、集めた資金を複数の商品に分散して運用します。例えば、日本株式を対象とした投資信託なら、日本の株式の中で1つの銘柄だけでなく複数の銘柄に分けて投資します。

債券や不動産を対象とした投資信託であっても、同様に複数の銘柄に分散をして投資するため、投資信託に投資するだけで、一定の分散効果を得られる点が大きな特徴です。

資産運用の原則の1つに「分散投資」があります。これは、投資する対象や、投資時期を分散することで、リスクを抑える考え方です。

たとえ大企業であっても、ひとつの銘柄に偏って投資をするとその企業が突然倒産した際などに大損してしまう場合があります。しかし、投資信託は複数の投資商品の銘柄で構成されているので、万が一そのうち1つの投資先が破綻したとしても、ほかの銘柄でカバーできるのです。

このように、投資信託は1つの商品で分散投資ができることから、個別の銘柄を買うよりもリスクを抑えて投資することが可能です。

資産運用のプロが管理

投資信託では、自分の資金の運用を、運用会社に所属する運用のプロ(ファンドマネージャー)に任せます。ファンドマネージャーは、各投資信託が持つ目的に沿った運用を行うために、市場を分析して組み入れる銘柄を選定します。

投資信託の保有にあたって手数料(信託報酬)を支払う理由の一つは、このようにプロに運用を任せているためです。

ファンドによっては、市場急変時などに組み入れ銘柄や資産を適時組み替えて運用するタイプもあるため、大きな損失を被る可能性は低くなります。

倒産しても影響がない

投資信託は、販売会社(投資信託を買った銀行や証券会社など)が倒産したとしても投資家が守られる仕組みになっています。

販売会社は投資信託の購入窓口にはなりますが、お金は販売会社を経由して、信託銀行が信託財産として管理します。そのため、もし販売会社が破綻しても信託財産には影響はありません。

また、運用のプロ(ファンドマネージャー)が所属する運用会社が倒産した場合も、お金は信託銀行に保管されているので影響はありません。この場合、投資信託は他の運用会社に運用が引き継がれるか、繰上償還されることになります。

投資信託は、組み込まれている投資商品に応じて値動きが変わります。例えば株式を多く含む商品なら株式市場の影響を大きく受けますし、外国株式も含まれている商品なら為替の影響も受けるでしょう。

不動産投資信託のREITも株式と似たような動きをします。逆に債券は安定的な運用が可能なため、大きな変動があまりみられないという特徴があります。ただし、外貨建ての債券であれば為替の影響を受けますし、新興国などの債券だと、カントリーリスクがあるため、まれに大きな損に繋がるケースもあります。

これまで2000年以降に株式市場が暴落したタイミングとしては、以下のものが挙げられます。

暴落が発生したタイミング 理由
2000年 ITバブル崩壊
2001年 アメリカ同時多発テロ
2008年 リーマンショック
2020年 コロナショック

この中で一番下落率が大きいのはリーマンショックで、70%近く下がっています。また、コロナショックのときには約30%の下落を起こしています。

このように10年単位で大きく暴落するタイミングが発生しています。分散投資ができていたとしても、市場全体が暴落すれば、投資信託もその影響を受ける可能性があることを覚えておきましょう。

投資信託で大損をする人には、共通した特徴があります。ここでは、投資信託で大損する人の特徴やよくあるケースについて紹介します。

投資信託で大きな損失をするのではないかと不安に思っている人は、自分が当てはまっていないか、チェックしてみましょう。

投資信託に限らずどの投資商品にも言えることですが、投資するにあたってはその商品がどのような特徴を持っているのかをしっかりと理解していなければなりません。

なぜなら、投資商品によってリスクやリターンに違いがあるからです。

一般的に、株式はハイリスク・ハイリターンに分類され、さらに海外の株式だとリスクやリターンは大きくなります。

一方、債券はローリスク・ローリターンで、安定運用に適していますが、高い利益は望めません。

投資先が日本だけなのか、海外も含まれているのかなどの情報は投資前に理解しておきましょう。海外ならば先進国か新興国かでもリスクは異なりますので、投資信託を購入する際にはこれらの商品の特徴をしっかりと把握することが大切です。

投資信託には、その商品によってさまざまなリスクがあります。主に考えられるリスクは

  • 価格変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク

などです。

運用商品である以上、価格変動リスクは避けられませんが、海外の銘柄が組み入れられている場合は為替変動リスクも生じてきます。

そのほか、発行体が破綻してしまう信用リスクや、国の政治や経済情勢の変化によって混乱が生じ、価格が下落するカントリーリスクにも注意しなければなりません。

リスクとリターンは正比例の関係にあり、リスクが高いほど多くのリターンが得られます。言い換えれば、多くのリターンを得られる可能性があるということは、それだけ大きな損失を被る可能性があるということです。リスクは低いのにリターンだけ大きい投資商品は存在しないため、もしそういった言葉で商品勧誘を受けた場合は最大限注意する必要があります。

では、リスクの高い投資信託とはどのようなものなのでしょうか。

ここでは、リスクが高いとされる投資信託の種類を紹介します。

レバレッジ型の投資信託とは、運用に充てる資金の2倍や3倍以上の大きな投資成果を狙う投資信託です。これらは主にブル型もしくはベア型といわれ、「レバレッジ」を効かせることで値動きの幅を大きくする非常にハイリスク・ハイリターンの商品です。

レバレッジ型投資信託のファンドの名前にはブル型もしくはベア型と記載されていることが多いため、リスクを取りたくないと考える人はこれらの購入は避けたほうがいいでしょう。

どの商品を選んでいいか分からないときには、人気ランキング上位にある商品の中から選ぶケースもあるでしょう。しかし、それが必ずしも自分のリスク許容度に合った商品とは言い切れないことに注意してください。

人気商品だからといってすぐに購入を決めるのではなく、商品の特性を十分に理解してから購入するようにしましょう。

新興国は政治情勢が不安定なことも多く、先進国と比較すると信用リスクが高い傾向にあります。

また、通貨の相場が変動しやすく、為替リスクも先進国よりも高くなります。

新興国への投資は、流動性リスクも考慮しなければなりません。売買量が少なくなることによって価格が下がったり、最悪の場合取引ができなくなったりする可能性があります。

さらにカントリーリスクも考えておきましょう。社会情勢によっては価格が大きく下がる可能性もあり、損失を拡大させてしまう恐れがあります。

新興国への投資信託は、リスクが高いことを理解したうえで行いましょう。

純資産総額が少ない投資信託にも気をつけなければなりません。なぜなら繰り上げ償還のリスクがあるからです。

投資信託の中には繰り上げ償還を行うものがあります。

繰り上げ償還とは、その投資信託の口数や総資産額が少なくなることにより、その後の効率的な運用を継続することが困難だと運用会社が判断した場合に、予定よりも早く投資信託の運用が終了してしまうことです。

運用が途中で打ち切られてしまうと、別の投資信託を探す必要に迫られますし、もしそのタイミングで損失が出ていた場合、損失が確定してしまいます。自分の都合ではなく運用会社に一方的に運用を終了されて損失が出てしまうのは、投資する側としては非常に不本意でしょう。

繰り上げ償還を行う投資信託は年間100本以上あるといわれていることからも、投資信託を選ぶ際にはできるだけ繰り上げ償還されるリスクが少ないものを選ぶ必要があります。

目安としては純資産総額が30億円以上ある商品や、総口数が順調に伸びている商品を選ぶことをおすすめします。

ファンドの純資産総額が少ない商品や、ここ数年で大きく純資産総額が減少傾向にある商品は買わないよう、十分に注意しておきましょう。

投資信託で得られた利益は、投資家に還元されます。その際、株式の配当と同じような「分配金」が用意されている投資信託商品もあります。

しかし、分配金は利益が出たときだけでなく、利益が出ていないときでも支払われることがある点に注意しなければなりません。

投資信託の分配金には「普通分配金」と「特別分配金」の2つがあります。普通分配金とは運用して得た利益から支払われるもので、特別分配金とは利益が出ていないときにも支払われる分配金です。

特別分配金は利益が出ていないのに支払われるため、支払うには元本を取り崩す必要があります。そうなると、結果的に資産が減ってしまうという事態に陥ってしまうのです。

分配金として定期的にお小遣いがもらえる感覚は嬉しいものですが、支払われる分配金が特別分配金の場合、最終的に資産が目減りしてしまう可能性があることを覚えておく必要があります。

また、分配金の支払われ方にも注意しておきましょう。分配金が再投資されるなら複利効果が得られますが、再投資ではなく投資家に直接支払われるなら、複利効果が期待できず、効率的な運用ができなくなります。

投資信託を購入、保有、そして売却する際にはそれぞれ手数料がかかります。

まず、購入時には購入手数料がかかります。そして保有時には信託報酬がかかり、売却時には信託財産留保額が発生します。

最近ではノーロード商品のように、購入手数料や信託財産留保額をほとんど取らない投資信託もありますが、信託報酬は投資信託を保有している間ずっと発生するものですので、信託報酬が高く設定されていると、いくら利益を得たとしても信託報酬が差し引かれる分、手元に残る利益は少なくなります。

場合によっては、利益よりも信託報酬のほうが高く、元本を下回ってしまうケースもありますので、投資信託を購入するにあたってはこれらの手数料を把握することも大切です。

投資信託商品を選ぶ際には、できるだけ設定された手数料に納得できるファンドを選ぶようにしましょう。

投資信託のメリットは、1つの商品を買うだけで、投資信託に含まれる複数の銘柄に分散投資できる点です。

しかし、同じ業種や同じ国の銘柄を含む投資信託であったり、同じ指数を参考にする投資信託ばかり保有してしまうと、相場が上下する際に全て同じような値動きになってしまうため分散投資の効果が発揮されず、市場下落面でのリスクコントロールができません。

投資信託の投資先には、外国株式や国内株式、外国債券や国内株式、さらには不動産や先物、そして先進国や新興国など多くの種類があります。

分散投資の効果は、値動きに違いがある複数の商品を併せ持つことで、資産全体の値動きの幅を抑えることです。せっかく複数の投資信託を持っていても中身がほぼ同じでは、分散投資によるリスクを抑える効果が期待できません。

自分がどのような投資先に投資をしているのか、投資先が重なっていないかなどを確認し、分散投資を心掛けましょう。

組み合わせに迷った際には、複数の投資商品がバランスよく配分されている「バランスファンド」を選ぶことでも、分散投資を行えます。

一番多いのが、投資信託を購入しただけで満足し、そのまま放置してしまっているケースです。

世界情勢や各国の景気は常に変化しています。そのため、いくら分散投資ができていたとしても、自分が保有している投資信託商品の値動きや資産のバランスを定期的にチェックし、理想となる利回りで運用できているかを確認する必要があります。

そして、思ったほどの利回りを得られていないなら、保有している投資信託の入れ替え(リバランス)を行い、目標としている運用成果に近づけなければなりません。

定期的なチェックを怠ることで、暴落に巻き込まれる可能性もあるため、最低でも年に1度は自分が保有する投資信託の運用状況を確認し、必要に応じてリバランスを行うようにしましょう。

リバランスには投資信託商品の入れ替えのほか、積立投資のように定期的に決まった金額ずつ購入しているなら、その購入割合を変更するなどの方法があります。

では、投資信託で大きな損失を出さないためにはどのような点に気をつければいいのでしょうか。

ここでは投資信託での大損を避けるためのコツについて解説します。損失をできるだけ避けるためにも、ぜひ参考にしてください。

目的を明確化する

投資信託で大損をしないための一番のコツは、自分が何のために資産を運用したいのか、その目的をはじめに明確にすることです。

あなたが資産運用を始める理由は何でしょうか?20代や30代のかたなら「結婚資金を貯めるため」や「マイホームの頭金を貯めるため」といった理由が多いかもしれませんし、40代や50代の方なら「老後資産の用意のため」という理由かもしれません。

投資の目的が明確になれば、そこから自分は「いつ」までに「どれだけ」資産を増やす必要があるのかが分かります。すると、そのためには「何万円くらいの元手」を「年利何%ほどの利回り」で運用すべきなのかも大まかに逆算することができます。

このように目的に沿って資産運用のイメージをまとめると、自分にとって必要以上にリスクが高すぎる商品に手を出してみたり、何となく言われるがままに投資商品を買ってしまうことが無くなるため、投資で大損をする可能性を低く抑えることが出来るでしょう。

長期運用を前提に

資産運用の原則の1つに「長期目線で資産運用を行うこと」があります。投資信託のように分散投資ができている商品については、短期的な利益を目的にするのではなく、長期的な目線で運用を行うことが大切です。

長期投資とは10年先や20年先を見据えて運用する投資です。逆に短期投資とは、デイトレーダーのように1日や数日単位の取引を指します。

短期投資の場合は、政治家の発言や経済指標の発表で起こる急激な市場の値動きを予想して利益を狙いますが、完全に相場の変動を予想することは難しく、想定外の相場の変動で大損するリスクがあります。

対して長期投資は、国や企業の成長を長い目で予想し利益を狙うため、思わぬ理由で一時的に相場が荒れたとしても落ち着いて回復を待つことができます。

また、短期投資の場合は購入や売却を繰り返すことで手数料などの費用が掛かるデメリットがあり、長期投資には利益を再投資に回すことで複利効果を得られるというメリットがあります。運用商品である以上、利益が出ることもあれば、元本割れしてしまうこともあります。

投資信託で長期運用するなら、10年以上、できれば20年程度の長期期間の運用を考えておきましょう。

知識を身に付ける

投資信託の実際の運用は運用会社に所属する運用のプロ(ファンドマネージャー)が行ってくれます。ある意味お任せ運用ではあるものの、投資信託を保有するなら運用の知識を身に付けることも大切です。

運用の知識を得ることで、自分に合った投資商品が選びやすくなりますし、より資産運用の目的をはっきりさせることができるでしょう。

知識がないままだと、営業担当者がすすめる商品を言われるがまま購入してしまうことに繋がりかねず、結局その商品が自分に合っているのかの判断ができません。

投資対象が持つ特徴やリスクとリターンなどを理解しておき、最終的に自分に合った投資信託商品を選ぶようにしましょう。また、自分でイチから投資の基本知識を学ぶのが大変だと感じる場合は、最初は専門家に相談して基本的な考え方を学ぶことも効果的です。

分散投資を心掛ける

リスクを抑えて資産運用を行ううえで、絶対に守らなければならないのが分散投資を心掛けることです。

分散には、投資対象の分散と、購入するタイミングの分散があります。

それぞれの分散方法の具体的な内容について紹介しますので、今後投資信託商品を選ぶ際の参考にしてください。

投資信託の投資対象には、株式をメインにしたものや債券をメインにしたもの、またそれらを組み合わせたバランス型などがあります。また、日本国内の商品だけに投資するものもあれば、海外の商品だけに投資するものもありますので、1つの投資信託だけで運用するのではなく、複数の投資信託を選んで併用して運用することをおすすめします。

同じような値動きをするものにばかり投資していると、相場が急落した際に資産全てが値下がりしてしまいます。しかし、値動きが異なるものに分散して運用していれば、一部が大きく下落しても、他の商品でカバーすることができます。

投資対象の分散は、資産全体のリスクをコントロールできるという意味でも非常に大切であるということを忘れないようにしましょう。

購入のタイミングを分散することも大切です。投資信託の価格は、市場の影響を受けて毎日変化しています。そのため、同じ日に一度に資産運用を行ってしまうと、その直後に相場が急落した時に大きな損をしてしまい、取り戻せなくなってしまいます。

つみたて投資のように、同じ金額で、時期を分けて定期的に購入する場合、投資信託の買値は次第に平均化されていくので、長い目線で考えると高値づかみを避けることができます。

ハイリスクを避ける

運用初心者なら、できるだけハイリターンの商品は避けたほうが無難です。

投資信託のなかでハイリターンの商品といえば、新興国の株式や債券に投資するファンドや、ブル型・ベア型のファンドなどがあります。せっかくなら大きな利益を狙いたいと思うかもしれませんが、大きな利益を得られるということはそれだけ大きな損失を抱える可能性もあるということです。

最初はできるだけ先進国の株式や債券を投資対象とする商品や、バランス型の商品で運用を行い、価格の変動や運用の仕組みに慣れて行きましょう。

ある程度運用に慣れ、リスク許容度が上がってくれば、よりリスクとリターンが高めの商品での運用を考えてもいいでしょう。

ただし、ハイリスク・ハイリターンの商品は信託報酬が高く設定されているケースも多いため、運用期間中にかかるコストも考えながら商品を選ぶ必要があります。

目論見書を確認する

投資信託を購入すると、目論見書が交付されます。店舗窓口で受け取るケースもあれば、ネット証券のようにインターネット上で閲覧することも可能です。

目論見書にはそのファンドの目的や過去の運用実績のほか、投資リスク、手数料などが記載されています。

記載されている内容は、投資信託商品の重要事項にあたる内容ですので、目論見書の内容をきちんと読み、内容をしっかりと理解することで、その商品の特徴や運用にかかる手数料などが分かります。

投資信託を購入するにあたっては、目論見書をよく読んで内容を理解し、本当に自分の投資スタイルに合った商品なのかを確認することを忘れないようにしましょう。

手数料が安い商品を選ぶ

投資信託には購入時、保有時、売却時に手数料がかかります。手数料は投資信託商品によって異なりますが、手数料の高い商品を購入する場合、せっかく利益が出たとしても手数料で相殺されて思ったほどの利回りにならなかったり、元本割れを引き起こしたりする可能性があります。

なお、投資信託を保有しているとかかる信託報酬の割合は年率で記載されています。保有する投資信託の基準価額と口数から計算すれば、必然的に手数料額が導きだせますので、実際に自分が保有している投資信託の基準価額と口数を元に信託報酬額を計算してみましょう。信託報酬の割合だけをみると低いと感じていても、実際に年間にかかっている額は意外と大きいかもしれません。

また、最近では購入時の手数料をなくした「ノーロード」と言われる投資信託も増えていますので、そのような商品を選ぶことも考えてみましょう。

必要に応じて損切りする

損切りとは、保有している運用商品の価格が下がって損失を抱えてしまった際に、そこで商品を売却して損失を確定させることです。

損をするとわかっていて商品を売却するのはつらいかもしれませんが、保有している運用商品が長期的に下がり続けているなら、どこかのタイミングで売却することで、それ以上の損失が発生するのを防がなければなりません。

投資信託などの投資商品を購入するにあたっては、初めのうちに、万一どのくらいの価格まで下がってしまったら損切をするかといったラインを決めておきましょう。そうすることでズルズルと損失が拡大するのを防ぐことができます。

投資を行うにあたって、欲は禁物です。いつか上昇に転じるかもと待つよりも、思い切って売却し、損失を確定する勇気を持つことを考えましょう。

定期的にリバランスする

リバランスとは、保有している投資信託などの金融商品の資産配分割合を整えることです。定期的にリバランスを行うことにより損失が発生するリスクを抑えられます。

投資信託商品に含まれているさまざまな銘柄は、株式市場の動きや経済情勢などによって常に変動しています。そのため、購入時にはベストな配分割合だったとしても、その後の市場の変化によっては、見直しが必要なケースも発生します。

リバランスには、保有している投資信託を部分的に売却もしくは追加購入して見直す方法と、1つを銘柄に見切りをつけて全て売却し、代わりに新たに別の投資信託商品を購入する方法があります。

定期的にリバランスを行えるようあらかじめ時期を決めておき、その時期が来たら、自分の投資目的に沿った資産配分割合になるようにリバランスを行うことを意識しておきましょう。

アドバイザーを活用する

投資信託での大損を避けるためのコツとして、ここまでで説明してきたように投資の目的を明確化し、そこから自分の投資スタイルを逆算して自分の投資スタイルに見合った複数の商品をバランスよく購入することは、どれも資産運用を行う上で非常に重要です。

しかし、それら全てを一人で行おうとすればかなりの時間が必要となるでしょう。特に、これから資産運用を始めようという初心者の方であればなおさらです。

そんな時は、資産運用の専門家であるアドバイザーを上手に活用することが大切です。

アドバイザーに一度相談してみることで、基本的な資産運用の知識を学んだり、自分にあった資産運用のスタイルを提案してもらうことで資産運用を考える参考にできるでしょう。

気軽に相談できる資産運用のアドバイザーは、銀行や証券会社、保険代理店、FP、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などがあります。

これらのアドバイザーにはそれぞれ得意不得意があり、相談できる内容や、提案してくれる商品が異なります。

アドバイザーに資産運用を相談すると、手数料の高い商品の営業をされてしまうのではないか、と不安な方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自分一人でよくわからないまま、これで合っているのだろうか?と不安を抱えたままの資産運用では効率が悪いのも事実です。

資産運用の相談について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

資産運用は始めたいけれど、投資信託は大損するからやめた方がいいのだろうか?と不安な方もいるでしょう。

投資信託は、分散投資が行いやすい分だけ株式や不動産など他の運用商品よりも初心者向けの安定性が高い運用商品だと言えます。

しかし、これまでも10年に1度の頻度で金融マーケットの暴落は繰り返されている以上、やみくもに投資信託を買うだけでは暴落時に大切な資産を守り切れないかもしれません。

投資信託で大損をしないためのコツは、適切な情報を集め、それに従って運用することです。

資産運用を始める前には運用の目的(ゴール)を決め、そこから自分の運用プランを逆算しましょう。商品選びの前には基礎知識を学び、きちんと各商品の特性を理解してから購入してください。運用商品を選ぶ際は、長期目線で、様々な資産に分散しながら運用することが大切です。また、運用を始めた後も、半年や一年に一度は、自分の運用状況を確認しましょう。

これらを一人でこなすのは時間もかかり初心者には難しいため、「資産運用の基礎知識からまずは誰かに学びたい」「出来るだけ損をしない運用を、詳しい人に提案して欲しい」と考えている方は、まずは資産運用のアドバイザーへと相談することをおすすめします。

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