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老後生活に貯金は3,000万円必要?持っている人の割合や注意点を解説
人生100年時代において、老後生活に必要な貯金額はいまや3,000万円ともいわれています。将来を見据えた貯蓄は、もはや日本人全員に必須の行動といえるでしょう。
しかし、老後生活に貯金は本当に3,000万円も必要なのでしょうか。また、実際に3,000万円を貯めている人はどれくらいいるのでしょうか。
この記事では、老後生活に貯金が3,000万円必要な理由や、3,000万円を持っている人の割合を公的な調査から解説するとともに、3,000万円を貯める方法も紹介します。
目次
NISAを始めるタイミングはいつにすべき?
実際に3,000万円の貯金がある人はどれくらいいるのでしょうか。「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から探ってみましょう。
同調査は金融広報中央委員会(知るぽると)が実施しています。令和5年版では20歳以上~80歳未満の7,500世帯(二人以上世帯:5,000世帯、単身世帯:2,500世帯)を対象に調査しました。
【年代別】3,000万円以上貯金がある人の割合
家計の金融行動委に関する世論調査(令和5年)によると、3,000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合は金融資産保有世帯で15.8%、金融資産を保有しない世帯を含むと11.3%です。
なお、同調査における金融資産とは「運用または将来に備えて蓄えている部分(事業用または日常的な決済用の資金、不動産などの実物資産を除く)」を指します。
つまり、将来に向けた貯蓄をしていない世帯も合わせてみると、およそ9世帯に1世帯が、3,000万円以上の金融資産を持っていることになります。
年代別で見ると、3,000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合は60代が最も大きくなっています。これは退職金や保険の受け取りが増えることなどが原因だと考えられます。なお70代ではやや減少しています。これは退職後に貯蓄を切り崩し始めたためだと想像できます。
- 出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年) より著者作成
全体を見ると、全年代の平均に最も近いのが50代です。50代の金融資産保有世帯の15%は3,000万円以上の金融資産を持っています。これを見ると、50代で3,000万円を貯めるのは難しいものの、決して不可能ではないようです。
ただし、貯蓄のある世帯とない世帯の差は年代が上がるにつれて大きくなっています。
また、50代世帯のうち、3割は金融資産を持ちません。金融資産保有世帯に限っても、金融資産が1,000万円未満の世帯が過半を占めています。
以上から、50代のうちに3,000万円以上貯めるためにはしっかりとした準備が必要だと言えるでしょう。
金融資産保有世帯 | 金融資産を保有しない世帯を含む | |
---|---|---|
金融資産がない | ― | 30.3% |
100万円未満 | 13.8% | 9.6% |
100万円以上~500万円未満 | 24.9% | 17.2% |
500万円以上~1,000万円未満 | 15.4% | 10.8% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 17.2% | 12.0% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 7.3% | 5.1% |
3,000万円以上 | 15.4% | 10.7% |
(参考)平均値 | 1,773万円 | 1,212万円 |
(参考)中央値 | 700万円 | 200万円 |
【年収別】3,000万円以上貯金がある人の割合
次に、3,000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合を年収別で確認してみましょう。
データを見ると、当然ではありますが、年収が高いほど3,000万円以上の金融資産を持つ世帯の割合が高くなっていることが分かります。
年収(手取り収入)の平均値は451万円、中央値は380万円です。年収300万円以上~500万円未満の世帯では、金融資産保有世帯で約13%、全体で約10%が3,000万円以上の金融資産を持っています。
年収(手取り) | 金融資産保有世帯 | 金融資産を保有しない世帯を含む |
---|---|---|
収入はない | 7.7% | 2.7% |
300万円未満 | 9.6% | 5.9% |
300万円以上~500万円未満 | 13.4% | 9.9% |
500万円以上~750万円未満 | 16.0% | 12.9% |
750万円以上~1,000万円未満 | 20.7% | 18.1% |
1,000万円以上~1,250万円未満 | 29.3% | 25.5% |
1,250万円以上 | 41.4% | 37.4% |
【独身世帯】3,000万円以上貯金がある人の割合
単身世帯の場合、金融資産が3,000万円以上ある世帯の割合は金融資産保有世帯で13.4%、金融資産を保有しない世帯を含むと8.6%です。二人以上世帯と比べると割合は小さくなっています。
- 出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年) より著者作成
単身世帯の貯蓄が二人以上世帯より小さい理由は収入の差にあるとみられます。
単身世帯の年収(手取り収入)は平均値で251万円、中央値で200万円です。同じく二人以上世帯の場合、平均値で551万円、中央値で500万円となっています。単身世帯は二人以上世帯と比べ300万円ほど収入が低い様子がうかがえます。
単身世帯 | 二人以上世帯 | |
---|---|---|
平均値 | 251万円 | 551万円 |
中央値 | 200万円 | 500万円 |
収入別の世帯割合は以下の通りです。単身世帯は6割以上が年収300万円未満です。一方、二人以上世帯は300万円~750万円がボリュームゾーンとなっています。
年収(手取り) | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
---|---|---|
収入はない | 9.0% | 3.8% |
300万円未満 | 55.8% | 18.5% |
300万円以上~500万円未満 | 24.5% | 27.5% |
500万円以上~750万円未満 | 8.6% | 27.9% |
750万円以上~1,000万円未満 | 1.2% | 10.9% |
1,000万円以上~1,250万円未満 | 0.4% | 5.0% |
1,250万円以上 | 0.4% | 6.4% |
【2人以上世帯】3,000万円以上貯金がある人の割合
二人以上世帯の場合、金融資産が3,000万円以上ある世帯の割合は金融資産保有世帯で14.4%、金融資産を保有しない世帯を含むと11.5%です。
世帯類型別では「世帯主夫婦のみ」世帯の貯蓄が大きい傾向にあります。3,000万円以上を貯めている世帯割合は、金融資産保有世帯で20%以上、金融資産を保有しない世帯を含むと15%以上となっています。
金融資産保有世帯 | 金融資産を保有しない世帯を含む | |
---|---|---|
世帯主夫婦のみ | 20.6% | 15.7% |
世帯主夫婦+子 | 14.4% | 11.5% |
世帯主夫婦+親 | 13.6% | 10.4% |
その他、累計不能 | 13.4% | 9.0% |
「世帯主夫婦のみ」世帯の貯蓄が大きい理由は、子育てや介護を終えた高年齢世帯が多く含まれているためと考えられます。高年齢世帯は金融資産を多く持つ傾向にあり、貯蓄額の差につながった可能性があります。
老後生活は貯金が3,000万円あれば足りるのか
家計の金融行動に関する世論調査から、金融資産を保有しない世帯を含み、およそ9世帯に1世帯が3,000万円以上を持つことがわかりました。
ではそもそも、老後の生活費は3,000万円貯金があれば足りるのでしょうか。老後に想定される収支から検証してみましょう。
老後に受け取れる年金額
まずは老後の主要な収入となる公的年金の額を確認します。
日本の公的年金は2種類あります。20歳以上60歳未満の全員が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金です。老後はそれぞれ老齢基礎年金、老齢厚生年金として年金が支給されることとなります。厚生年金の加入者は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の双方を受給できます。
会社員として平均的な収入を得ながら40年間働いた場合、公的年金(老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金(満額))の支給月額は約23万円です(2024年4月分)。年間ではおよそ276万円を受け取れることになります。
【公的年金の支給月額(2024年4月分から)】
- 国民年金:6万8,000円※1
- 厚生年金:23万483円※2
- ※1…老齢基礎年金の満額
- ※2…平均標準報酬月額(給与+賞与の月額換算)43.9万円で40年間就業した場合の年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を含む)
- 出所:日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
最低限の生活に必要な費用
老後の支出は、生命保険文化センターが公表する「生活保障に関する調査(2022年)」から探ってみましょう。2022年版では18歳以上~79歳未満を対象に調査しました(回収サンプル:4,844)。
同調査によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費として月にいくら必要か回答を求めたとろ、平均額は23.2万円となりました。実際に老後生活を送っていると考えられる60歳代と70歳代の平均額はそれぞれ24.0万円、22.6万円でした。
先述の通り、平均的な収入で40年間働いた会社員の公的年金(厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金(満額))の支給月額は23万483円です(2024年4月分)。「老後の日常生活費」の平均額23万2,000円に約1,500円不足し、年間の赤字額は1万8,000円となります。
つまり、やや赤字にはなるものの、「老後の日常生活費」は公的年金でおおむねカバーできることとなります。老後が65歳から始まると仮定した場合、不足額の累計は70歳時点で9万円、100歳時点で63万円です。
不足額 | |
---|---|
70歳時点 | 9万円 |
80歳時点 | 27万円 |
90歳時点 | 45万円 |
100歳時点 | 63万円 |
- ※年間の赤字額=1万8,000円で試算(老後の日常生活費:23万2,000円、公的年金:23万483円)
- 出所:生命保険文化センター 生活保障に関する調査(2022年)
ゆとりある生活に必要な費用
「生活保障に関する調査(2022年)」では「ゆとりある老後生活費」もアンケート調査しています。それによると、回答の平均額は37.9万円となりました。60歳と70歳代ではそれぞれ38.7万円、36.2万円となっています。
会社員の平均的な公的年金23万483円(2024年4月分)は、「ゆとりある老後生活費」の平均額37万9,000円に約14万9,000円不足します。老後が65歳から始まると仮定した場合、赤字の累計は70歳時点で約75万円、100歳時点で約522万円となります。
不足額 | |
---|---|
70歳時点 | 74万5,000円 |
80歳時点 | 223万5,000円 |
90歳時点 | 372万5,000円 |
100歳時点 | 521万5,000円 |
- ※年間の赤字額=14万9,000円で試算(老後の日常生活費:37万9,000円、公的年金:23万483円)
- 出所:生命保険文化センター 生活保障に関する調査(2022年)
貯金3,000万円でセミリタイアは少ない?
上記の試算から、3,000万円の貯蓄があればセミリタイアは可能だと考えられます。
セミリタイアとは早期退職の一つとされています。定年を待たずに退職し、負荷の小さい仕事を続けながら自由な時間を過ごす生活スタイルを指すことが一般的です。
類語にフルリタイアやFIRE※があります。これらは一般に労働を完全に絶つことを指します。一方、セミリタイアは軽度の労働が前提となります。労働収入を得るため、フルリタイアやFIREと比べるとセミリタイアの方が実現しやすいと考えられています。セミリタイアを目指すなら、収入源の確保が重要だといえるでしょう。
- ※FIRE:financial independence, retire early(経済的自立、早期退職)の頭文字をとった造語。定年前に退職し、資産運用による収入で生活すること。
3,000万円貯金するためのコツとは
3,000万円を貯めるには、どのようことに気を付ければよいのでしょうか。お金を上手に貯めるコツを紹介します。
貯金の目的や目標を明確にする
お金を貯めるには目的や目標を明確にしておくことが重要です。
目的とはお金を貯める理由のことです。また、目標とは貯蓄で目指す金額や時期を指します。目的を定めることで実現に妥当な目標を定めることでき、目標を定めることでこれからどれくらいのペースで貯蓄が必要なのか把握できます。
例えばお金を貯める目的を老後の生活費とし、目標として金額を3,000万円、時期を20年後と設定します。この場合、年間に必要な貯蓄額は150万円(3,000万円÷20年)だと逆算できます。
現在の平均的な収支を把握する
お金を貯めるなら家計収支の把握も大切です。収入や支出を押さえることで、無駄な支出や収支の余裕に気付きやすくなります。
家計収支の把握には家計簿が有効です。継続的に記録することで平均的な収支を可視化できます。
家計簿の作成はスマートフォンアプリの活用がおすすめです。銀行口座やクレジットカードなどを連携することで、自動的に家計簿を付けることが可能です。
固定費を見直す
家計収支を把握できたら無駄な支出を削減しましょう。支出の見直しは固定費から行うと効率的です。
固定費とは継続的に発生する支出のことで、通信費や光熱費などが代表的です。固定費の削減としては、格安スマホの導入や新電力への切り替えなどが考えられます。
固定費を見直すべき理由は収支の改善効果が大きいためです。一時的な費用より、継続的に支払う固定費を削減した方が収支の改善が長く続きます。
先取り貯金する
お金を貯めるなら「先取り貯金」を検討しましょう。先取り貯金とは、支出に先んじてお金を貯める行動を指します。
お金を貯めるとき、収入から支出を差し引いた残額を貯金するという発想になりがちです。先取り貯金は、先に貯金を行い、支出は貯金後の残額で行います。
先取り貯金を行うことで、目標到達に必要な貯金を確実に準備できます。また貯金後の残額で支払いを行うため、支出を抑制する効果にも期待できます。
先取り貯金には銀行の積立預金がおすすめです。引落日を給与の支給直後に設定すれば先取り貯金を実現できます。勤め先に財形貯蓄制度があれば、給与天引きで貯めることも可能です。
先取り貯金は専用口座の開設も検討しましょう。生活資金と切り離すことで管理が容易になります。
貯金しやすい時期をチェックする
お金を貯めやすい時期を知っておくと資産形成に役立つかもしれません。
お金の貯めやすさはライフステージの影響も受けます。例えば子の誕生後は生活費の上昇が想定され、お金を貯めにくくなることが予想されます。反対に子が生まれるまでの時期や、子の独立後はお金を貯めやすくなるでしょう。
目標に向かって一定額を貯金するのではなく、お金を貯めにくい時期は少額を、お金を貯めやすい時期はまとまった額を積み立てるといったように、柔軟な計画を立ててみてはいかがでしょうか。
資産形成の考え方も確認しよう
お金を上手に貯めるなら、具体的な方法だけでなく考え方も知っておきたいところです。資産形成に役立つ考え方を紹介します。
収入を上げる方法を検討する
資産形成に成功する確率を上げるため、収入の引き上げも視野に入れましょう。
収入を上げる方法として転職が考えられます。給与水準が高い企業へ転職できれば収入が上昇し、収支の余裕からお金を貯めやすくなります。
副業も収入を上げる方法の一つです。給与所得者の場合、副業の所得が年間20万円以下なら原則として所得税の申告も不要です。
生活レベルを上げない
収入が上昇しても、むやみに生活レベルを上げないようにしましょう。
収入が上がれば、家計はより大きな支出にも耐えられるようになります。しかし一度生活レベルを上昇させると、再び元の水準に戻すことが難しくなることが懸念されます。
家計簿を継続的に付け、衣服や食事、旅行などの支出を管理しておきましょう。
なるべく長く働く
老後の生活費を準備するなら、できるだけ長く働くという選択肢もあります。
年齢や収入などから、定年までに老後資産を形成することが難しい場合もあるでしょう。また定年までに十分な額を準備できたとしても、思わぬ支出が生じれば退職後に老後資産が不足する事態も想定されます。
このような場合、退職後も働いて収入を得れば老後の生活費をカバーできます。いざというときに長く働けるよう、健康にも意識を向けておくとよいでしょう。
余剰資金で投資する
貯蓄に余裕が出てきたら投資も検討しましょう。高いリターンを得られれば、より早いスピードで資産形成できる可能性があります。
ただし投資は余剰資金で行うようにしましょう。余剰資金とは当面使う予定のない資金を指します。余剰資金で投資を行うべき理由は、投資にはリスクがあるためです。
投資には原則として元本保証がなく、損失が生じる可能性があります。近い将来に使う予定のあるお金で投資した場合、損失で必要な金額に不足し支払いできずトラブルに発展するするケースが懸念されます。
3,000万円の貯金を目指す場合におすすめの資産形成方法
3,000万円を貯めるなら以下8つの資産形成方法や商品をおすすめします。それぞれの概要とメリット、デメリットを紹介します。
- NISA
- iDeCo
- 投資信託
- 株式投資
- 債券
- 不動産
- 積立保険
- 財形貯蓄制度
資産形成の方法1:NISA
NISA(ニーサ)は非課税で運用できる制度です。通常は運用益に約2割の税金がかけられますが、NISAを通じた投資なら利益に税金はかかりません。
また、NISAは銀行や証券会社などで開設できます。投資できる商品は株式と投資信託です。株式に投資するには証券会社に口座を設ける必要があります。
NISAの主なメリットは運用益が非課税になること、解約に制限がないことです。
NISAの主なデメリットはNISA以外で発生した損益との損益通算ができないこと、投資できる銘柄に制限があることなどです。
資産形成の方法2:iDeCo
iDeCo(イデコ)は個人型の確定拠出年金のことです。原則として60歳になるまでお金を積み立てておき、60歳以降に資金を引き出します。
また、iDeCoは銀行や証券会社などで開設できます。積み立てたお金は預金や保険といった元本確保型の商品で運用できます。また、投資信託でリスクを取った運用も可能です。
iDeCoの主なメリットは拠出額の全額が所得控除になること、運用益が非課税になることなどです。
iDeCoの主なデメリットは原則として60歳まで解約できないこと、受給時は拠出分も含めて課税対象になることです。
資産形成の方法3:投資信託
投資信託はさまざまな資産で運用される金融商品です。投資家から集めた資金で株式や債券などに投資し、その成果が投資家に還元されます。リスクやリターンの性格は、組み入れられる資産や運用方針などで決定されます。
また、投資信託は銀行や証券会社で購入できます。銀行の場合は投資信託口座の開設が必要です。
投資信託の主なメリットは少額で投資できること、分散投資が容易にできること、個人では投資が難しい資産にも投資できることなどです。
投資信託の主なデメリットは運用中にコストがかかること、解約できない期間(クローズド期間)が設けられる場合があることなどです。
資産形成の方法4:株式投資
株式投資は個別の株式に直接投資する方法です。取引所に上場する株式を購入し、買値より高く売ることで得られる売却益や、発行企業からの配当金が収益源となります。
また、株式は証券会社で購入できます。銀行では購入できません。
株式投資の主なメリットは高いリスクの対価として高いリターンが期待できること、株主優待を得られることなどです。
株式投資の主なデメリットは、原則として100株単位での売買となるため投資単位が大きい場合があること、財務諸表や資本取引などに関する知識が求められることなどです。
資産形成の方法5:債券
債券は企業や国などが元利金の支払いを約束して発行する金融商品です。購入額より高い満期金を受け取ることで得られる償還差益と、発行企業から支払われる利子が主な収益源です。外貨建ての債券を購入する場合は、円安や円高による為替差益も加わります。
また、債券は主に証券会社で購入できます。ただし個人向け国債は銀行などでも取り扱っています。
債券の主なメリットは利回りが確定的なこと(発行体が債務不履行に陥る場合を除く)、一般に銀行預金よりリターンが高いことなどです。
債券の主なデメリットは最低投資額が高い傾向にあること、一般に株式よりも期待リターンが低いことなどです。
資産形成の方法6:不動産
投資としての不動産は、実物のマンションやビルなどを取得し、貸し出すことで家賃収入を得る方法を指します。買い手が見つかれば売却益を得られる可能性もあります。
不動産の主なメリットは銀行融資を利用できること、老後の収入源としても期待できることなどです。
不動産の主なデメリットは金融商品と比較し流動性リスク※が高いこと、管理に費用がかかることなどが挙げられます。
- ※流動性リスク:買い手が少なく相場より安い価格でないと売却できない、または買い手が見つからず売却できない可能性のこと。
資産形成の方法7:積立保険
積立保険は、一般に貯蓄性に重点を置いた保険を指します。保険料を一定期間支払い、満期後に一時金または年金形式で保険金を受け取るものが一般的です。
積立保険の主なメリットは利回りが確定的なこと、保険料の一部または全額が所得控除になることなどです。
積立保険の主なデメリットは、リターンは小さい傾向にあること、一般的な生命保険と比べ死亡やケガ・病気などに対する保障は小さい傾向にあることなどです。
資産形成の方法8:財形貯蓄制度
財形貯蓄制度は福利厚生の一つです。企業が金融機関と提携し、給与天引きでお金を積み立てておく仕組みです。老後資産を積み立てる財形年金貯蓄、住宅資産を積み立てる財形住宅貯蓄、使用目的を限定しない一般財形貯蓄の3種類があります。
財形貯蓄制度の主なメリットは、給与天引きのため「先取り貯金」ができること、利子が非課税(一般財形貯蓄を除く)となることなどです。
財形貯蓄制度の主なデメリットは、リターンは小さい傾向にあること、目的外の引き出しは利子に課税される(一般財形貯蓄は除く)などです。
貯金が3,000万円超えた場合の注意点とは
これまで3,000万円を貯める方法を紹介してきました。
では貯蓄が3,000万円を超えたら、どのように行動した方がよいのでしょうか。注意点を押さえましょう。
リスクが高い資産運用は避けた方が無難
資産が3,000万円に達したなら、基本的にはリスクの高い運用は避けるようおすすめします。
3,000万円を運用すれば資産をさらに増やせる可能性はあります。しかし貯蓄の目的や目標に照らし3,000万円以上を目指す必要性が低いなら、リスクを取ることには慎重になるべきでしょう。
いろいろな方法で資産を運用する
もしも3,000万円に到達したあとに運用をする場合、分散投資を基本とするようにしましょう。特定の商品に集中投資すると万が一その商品が暴落した際に取り返しがつかなくなる懸念があります。
また、投資する商品は安全性の高いものを選びたいところです。安全性の高い商品として、銀行預金や個人向け国債、積立保険などが挙げられます。
まとめ
3,000万円は大金ですが、決して貯められない金額ではありません。「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、約9世帯に1世帯が3,000万円以上の金融資産を保有しています。金融資産保有世帯に限れば、約6世帯に1世帯が3,000万円以上の金融資産を持ちます。
この事実から、3,000万円は頑張れば貯められる金額だといえます。お金を上手に貯める方法や考え方を押さえ、コツコツと貯蓄を続ければ自ずと3,000万円に到達するでしょう。
ただし、すべての人がうまく資産形成できるわけではありません。実際に、家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)でも、全体の28%は金融資産を持たない世帯でした。
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IFAとはIndependent Financial Advisorの略です。「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる、金融機関から独立した資産形成相談の専門家です。3,000万円を貯める計画を相談すれば、中立的な立場からアドバイスを受けられるでしょう。
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