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ジュニアNISA終了後に最適!新NISAで子どもの教育資金を賢く準備する方法

資産運用相談コラム編集部

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資産運用相談コラム編集部

金融機関から投資家までを対象に資産運用に関するさまざまな情報を発信。専門雑誌を含め25年以上にわたり取材活動を継続。資産運用アドバイザー業界に関するフォーラムを毎年開催するなど内外の識者、専門家に幅広いネットワークを有する。資産運用に精通したメンバーからなる編集部は、蓄積してきた知見をもとに資産運用に関するあらゆる悩みや疑問を解消し、一人でも多くの方に「資産運用を始めてよかった」と思ってもらえることを励みに日々活動している。

新NISAの導入により、2023年末をもってジュニアNISAが終了しました。

ジュニアNISAは親が子どもの名義で資産を運用でき、将来の教育資金などを準備できたため、多くの人が利用していました。それゆえに、ジュニアNISAの廃止に伴って今後の教育資金をどのように準備すべきか迷っているご家庭も多いのではないでしょうか。

そこで注目されているのが「新NISAの活用」です。

新NISAは非課税で資産を運用でき、長期的な運用が可能なため、早いうちに始めることで教育資金の準備にも適しています。

今回は、ジュニアNISAの代替として新NISAを活用する具体的な方法や、投資初心者でも安心して始められる教育資金形成のポイントを解説します。

2023年末でジュニアNISAが廃止され、それまで可能だった「親が子ども名義で、かつ非課税で資産運用すること」ができなくなりました。

そこで注目されているのが、新NISAを活用した子どもの教育資金の準備です。もちろん、学資保険や貯金などがありますが、自分で資産を運用できる点を考慮すると、新NISAを活用した方が、効率的な資産形成が期待できます。

ジュニアNISAは未成年者(18歳未満)を対象とし、親が子ども名義でNISA口座を開設・運用できる制度でした。18歳までは引き出せないという制約があったものの、非課税で運用できる点は大きな魅力だったことでしょう。

一方、新NISAでは、「その年の1月1日時点で18歳以上であること」が口座開設の条件となるため、ジュニアNISAのように子ども名義の口座の開設・運用をすることはできません。

しかし、非課税で資産運用ができるメリットはさらに拡大しているので、親名義でNISA口座を開設し運用することで子どもの教育資金を準備することは可能です。

新NISAの年間非課税投資枠の上限は、「成長投資枠(240万円)」と「つみたて投資枠(120万円)」を合計した360万円です。この非課税のメリットを最大限に活用することで、将来必要となる子どもの教育資金を効率的に準備できます。

まずは新NISAの仕組みについて確認しましょう。

2024年1月からスタートした新NISAは、それまでの一般NISAが「成長投資枠」に、つみたてNISAが「つみたて投資枠」となりました。

また、従来の制度では一般NISA、もしくはつみたてNISAのどちらか一方のみしか選択できませんでしたが、新NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の併用が可能になりました。

成長投資枠の年間非課税投資枠の上限は240万円、そしてつみたて投資枠の年間非課税投資枠の上限は120万円となっており、合計で年間360万円まで非課税で投資・運用が可能です。

「上場株式」「ETF」「REIT」「投資信託」といった選択肢がある

新NISAの成長投資枠は、つみたて投資枠に対してより広い投資商品の選択肢を持つ枠組みです。具体的には「上場株式」、「ETF」、「REIT」、「投資信託」といった選択肢があり、年間240万円まで非課税で投資・運用ができます。

投資対象商品が安定性を重視した商品に限られるつみたて投資枠に対して、成長投資枠ではより広い範囲の投資商品に投資できるため、自分の投資プランに適した商品選びがしやすい点が特徴です。ある程度リスクをとる分リターンも期待できる投資商品を選ぶことで、上手くいけば資産形成のスピードを早められる可能性があります。

上場株式への投資では、購入した時よりも値上がりした際に売却すれば売却益を得られ、保有を続ければ配当益や銘柄によっては株主優待も期待できます。そのため、成長投資枠は株式投資を始めたいと考えている人には魅力的な枠となっています。

年間投資上限額もつみたて投資枠より高く、ある程度まとまった資金を投資したい人にもおすすめです。

「金融庁が認めた、長期および分散投資に適した投資信託など」に限られる

つみたて投資枠の投資対象商品は、「金融庁が認めた、長期および分散投資に適した投資信託など」に限られます。また、投資のタイミングも自分で決めるわけではなく毎月の積立投資設定になります。そのため、まずはある程度決まった中から選びたいという投資初心者や低リスクで運用したい人に向いている枠といえます。

つみたて投資枠での運用は長期運用が前提のため、早くから積み立てはじめることで、子どもの大学進学費を用意することなどを目的とする資産形成に適しています。

また、従来のつみたてNISAでは、年間40万円が非課税の上限でしたが、新NISAでは年間120万円まで拡大されました。

毎月の積立額は最大10万円まで可能となり、従来の枠では積立額が足りなかった人にとっては、大幅な改善となっています。

非課税期間が無期限のため一生涯非課税での運用が可能 教育資金や老後資金など、長期的な運用に適している

従来のNISAでは、非課税で資産を保有できる期間が決まっていました。しかし、新NISAでは非課税期間が無期限となり、一生涯非課税での運用が可能です。

また、投資期間が長いほど複利効果を得られるため、教育資金の準備や老後資金の積み立てなど、長期的な運用に適しています。

新NISAの年間非課税投資枠は1年ごとに更新されるため、使い切らなかった枠を翌年に持ち越すことはできません。しかし、途中で売却した場合、その分の枠が翌年以降に復活する仕組みとなっており、無駄なく投資を続けられます。

新NISAでは非課税で投資・運用できる期間が恒久化され長期的かつ柔軟な資産運用が可能に

新NISAには、従来のような投資可能期間の制限がありません。従来のNISA制度では、一般NISAだと5年間(オールオーバーを含め最長10年)、つみたてNISAは20年間という制約がありました。

そのため、新NISAでは非課税で投資・運用できる期間が恒久化され、早く資産運用を始めればその分だけ長く非課税というメリットを享受することができます。

この変更により、自分のライフスタイルや余剰資金の状況に応じて、長期的かつ柔軟な資産運用を行うことが可能になりました。例えば、新NISAでこどもの教育資金の準備をしつつ、運用がうまくいって資金が一部残るようであれば、そのまま運用を続けて自身の老後の資産形成に活用することなども検討できます。

新NISAの非課税投資枠の生涯上限額は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」合計で1,800万円

新NISAの非課税投資枠の生涯上限額は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」合計で1,800万円です。そのうち、成長投資枠は最大1,200万円までとされています。

従来の制度では、一般NISAなら600万円、つみたてNISAなら800万円が上限だったため、大幅に拡大されました。

この変更によって、非課税運用の恩恵を長期間受けることが可能となり、より効果的な資産形成が期待できます。

新NISAについて誰かに質問したいなと思ったら

ジュニアNISAの替わりに新NISAを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?

ここでは、新NISAで運用することで得られる具体的なメリットについて解説します。

新NISAの運用で得た利益(売却益や配当益など)は全て非課税

新NISAの運用で得た利益(売却益や配当益など)は、全て非課税です。本来、株式を売って100万円の売却益を得た場合、20.315%(約20万円)の税金が引かれるため、手元に残るのは約80万円です。しかし新NISAなら100万円の利益をそのまま受け取れるため、利益額が大きくなるほど税制上のメリットを享受できます。

新NISAの年間投資可能額上限は、成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円で、併用すると年間360万円を非課税で運用できます。

ただし、年間の非課税投資枠の上限を超えた部分は、課税口座で運用しなければならないため、もし売却益や配当益が発生した場合は、その利益額から20.315%が引かれてしまう点に注意しておきましょう。

運用期間が長いほど複利の効果は大きくなりさらに効果的な資産形成が期待できる

新NISAの非課税期間は無期限です、そのため、長期的な資産形成が可能となります。また、資金が必要になるまでの期間が長いほど、複利効果を最大限に活用できる点も大きなメリットです。

複利効果とは、運用で得た資金を再投資することで、利益がさらに利益を生み雪だるま式に利益が増える仕組みのことを指します。運用期間が長ければ長いほど、複利の効果は大きくなるため、より効果的な資産形成が期待できます。

このことからも、新NISAを活用する際は、長期運用と複利効果のメリットを視野に入れておきましょう。

NISAはジュニアNISAと異なり引き出す時期の制限がないのでライフステージごとに柔軟に活用できる

旧制度のジュニアNISAには、一度投資を始めると「原則として18歳まで引き出せない」という大きなデメリットがありました。しかし、新NISAはジュニアNISAと異なり引き出す時期の制限はありません。つまり、もしも急遽資金が必要になった際は運用商品を解約して必要な資金を自由に引き出せるのです。さらに、引き出し時に利益が発生していても、課税されることはありません。

また、非課税枠を使い切った場合でも、売却した枠は翌年以降に復活するため、余裕ができた時に再度投資できます。

例えば予定になかった私立への進学などが決まった際に、教育資金が必要にならその時点でNISA枠内の商品を解約し教育資金にあてられますし、もし、子どもの希望で進路が変更になった場合にも、柔軟に対応できる点もメリットです。さらに、教育資金を引き出しても余裕がある場合は、その資金を元に老後資産を形成することも可能です。このように、新NISAはライフステージごとに柔軟に活用できる制度となっています。

新NISAで投資できる商品は多岐に渡っており、自分のリスク許容度や設定した目標に応じて選べます。ただし、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」では購入できる商品が異なる点に注意が必要です。

成長投資枠では、「上場株式」や「ETF」、「REIT」、「投資信託(ただし、一部の投資信託は除く)」が投資対象となります。一方のつみたて投資枠では、金融庁が定めた基準を満たす投資信託およびETFのみが対象です。

また、購入のタイミングにも違いがあります。つみたて投資枠では、毎月投資する銘柄と金額を設定しておき、自動的に積み立てる仕組みですが、成長投資枠では好きなタイミングで投資が可能です。

例えばまとまった資金があるなら、一括で株式を購入することもできますし、複数の商品に分けて投資することも可能です。また、価格が下がったタイミングで投資ができる点も、成長投資枠ならではのメリットです。

投資信託とは、投資家から集めた小口の資金を大きな資金としてまとめ、運用会社に在籍するプロのファンドマネージャーが運用し、それで得た利益を投資家に分配する仕組みの投資商品です。投資信託の商品は「ファンド」と呼ばれ、それぞれに異なる投資目的が設定されています。例えば、日本の株式に投資するファンドや、全世界の海外株式を投資対象にしたファンドなどがあります。

また、投資手法によって以下の種類に分かれます。

  • インデックスファンド:特定の指数(例:日経平均やS&P500)に連動する運用を目指す
  • アクティブファンド:指数を上回るリターンを目指し、積極的に運用する

投資信託のメリットは、運用をプロに任せられるため初心者でも始めやすく、少額からでも投資が可能で、かつ自動的に分散投資ができることです。

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所に上場しており、個別株式のように取引所で売買できる投資信託です。証券会社を通じて売買するため、一般の投資信託とは購入方法が異なります。

ETF(上場投資信託)のメリットは、投資信託の特徴と同様に分散投資が容易で、成長投資枠を利用した長期的な資産形成に向いている点です。また、低コストな商品が多いため、運用にコストをかけたくない人におすすめです。

株式とは、企業が資金調達のために発行するもので、株式を購入した人はその企業の株主となります。

株式投資で得られる主な利益は以下の通りです。

  • 売却益:購入価格よりも高く売れた場合の利益
  • 配当金:企業の利益の一部を株主に還元するお金
  • 株主優待:企業によっては、株主向けに商品やサービス、割引券などが提供される

株式の価格(株価)は、経済情勢やその企業の業績などによって日々変わります。投資信託と比べて1社だけに投資をする分、大きなリターンを狙える反面、大きな損失をかかえる可能性も高いため、教育資金として運用するなら、リスクを抑えるためにも複数の銘柄に分散投資することをおすすめします。

REIT(不動産投資信託)は、不動産(オフィスビルやホテル、商業施設など)を投資対象とする投資信託で、そこから得られる賃貸収入や売却益を分配金として投資家に還元する仕組みです。

不動産投資は一般的にインフレに強い資産と言われており、注目を集めています。しかし、実際に不動産を購入して投資するには、多額の資金が必要であり、物件の管理も手間がかかるため、初心者にとってはハードルが高いのが現実です。

そこで、不動産を投資信託の形で運用するREIT(不動産投資信託)が登場しました。REITなら少額から投資できるため、不動産投資の魅力を手軽に享受できるのが特徴です。

新NISAでは成長投資枠を活用してREITを購入できるため、資産形成の選択肢の一つとして検討しましょう。

もし教育資金の準備のために投資信託を活用するのであれば、いざというときに価格が下落していないよう、出来るだけ幅広い商品に分散して投資できる商品を選ぶのが良いでしょう。そういった観点からおすすめの投資信託は以下の通りです。

  • 全世界株式インデックスファンド:世界中の株式市場に分散投資できるため、リスクを抑えながら成長を期待できる
  • 先進国株式ファンド:安定した成長が見込まれる先進国の株式に投資できる
  • バランス型ファンド:株式・債券・不動産など複数の資産にバランス良く分散投資されており、リスクを抑えた運用ができる

例えば、10年後に教育資金を準備する必要がある場合、つみたて投資枠で毎月3万円ずつ想定利回り3%の商品を買い続けるとします。その場合、もし想定利回り通りに運用されるならば10年後の運用資産額は419万円です。

さらに毎月の積立額を5万円にすると、10年後の運用資産は699万円まで上がります。

もしも、つみたて投資枠での運用だけでは措定される教育資金が足りない場合は、成長投資枠も活用することをおすすめします。より高いリターンが見込める個別株式やREITをポートフォリオに組み込むことで、つみたて投資枠だけで運用するよりも期待投資利回りを高められるでしょう。

新NISAで教育資金の準備を始めるなら

新NISAを活用して子どもの教育資金を準備する場合、どのくらいの金額を準備すればいいのでしょうか。

ここでは、将来必要となる教育資金の目安と、具体的な運用金額のシミュレーションについて解説します。

まず、必要な教育資金の目安を知っておきましょう。必要な教育資金は、進学先が公立か私立かによって大きく異なります。

公立の場合

  • 小学校から高校までの教育費:約530万円
  • 大学(国立・文系)の学費:約240万円
  • 自宅外通学の場合の仕送り費用:4年間で約380万円

つまり、小学校から大学まですべて公立に進学した場合でも、自宅外通学だと約1,155万円が必要となります。

私立の場合

  • 小学校から高等学校までの教育費:約1,750万円
  • 大学(私立・学部別)の学費:文系や理系により異なるが、約400万円~530万円が必要
  • 自宅外通学の場合の仕送り費用:4年間で約380万円

同様に、自宅外通学の場合は仕送り費用が加わるため、小学校から大学まで私立でかかるお金は約2,500万円から2,600万円と、公立の2倍以上のお金がかかる計算になります。

最後に、高校までは公立、大学のみ私立に進学するケースでは、約1,300万円~1,450万円が目安です。さらに、仕送りや教材費、塾費用などを考慮すると、準備すべき資金はさらに増える可能性があります。

子どもの希望する進学先によって必要な金額の目安が把握できたら、それを貯めるための積立金額を決めていきましょう。また、その際には金額が必要な時期(高校進学時もしくは大学進学時)に分けて設定することが大切です。

そして、新NISAで目標の運用金額を設定し、月々の積立金額を決めます。

【シミュレーション例】

子どもが0歳で大学進学時までに500万円を準備する場合、利回り3%で毎月約1万7500円の積み立てが必要

例えば、現在子どもが0歳で大学進学時までに500万円を準備するとします。その場合、積立期間は18年間となり、運用利回りを3%と仮定した場合、毎月約1万7500円の積み立てが必要です。

計算では運用利回りを「3%」としていますが、利回りの目安は選ぶ投資信託によっても異なります。目標金額に合わせて、どの投資信託で運用するかを選ぶ必要があります。

毎月の積立金額によって、最終的な資産額がどのくらい変わるのかをシミュレーションしてみましょう。シミュレーション例は引き続き先ほどの例を使用します。

前提条件

  • 平均利回り3%
  • 積立期間18年
毎月の
積立金額
総積立額 運用益 最終資産額
1万円 216万円 70万円 286万円
3万円 648万円 210万円 858万円
5万円 1,080万円 350万円 1,430万円

このように、複利効果によって毎月の積立金額が多いほど、元本に対する運用益が大きくなることが分かります。

教育資金のように10年以上の運用期間が取れる場合は、複利効果を大きく利用できる新NISAの活用が有効です。また、設定した積立金額はいつでも変更できます。一時的に家計が苦しい時は積立金額を少なくし、余裕ができた時には多めに積み立てるなど柔軟に調整しながら運用することが大切です。

投資未経験者が新NISAを活用する際に、最も注意すべきポイントは「分散投資」です。

投資の世界には、「卵を一つのかごに盛るな」という格言があります。これは、1つの商品だけに資産を集中させると、その商品が値下がりした際の資産全体への影響が大きくなってしまうという意味です。

分散投資のポイント

  • 投資対象を分散する:株式、債券、投資信託など、複数の商品に分散した投資を行うことで、株式が値下がりしても、債券が値上がりするなどで損失を抑えられる
  • 投資のタイミングを分散する(時間分散):一括投資ではなく、毎月定額を積み立てることで、価格変動の影響を抑えられる(ドルコスト平均法)

分散する各商品の内容や比率によって、想定されるリスクやリターンは変わります。そのため、自分はどの程度の価格の上下なら耐えられるのか、目標達成のためにはどの程度の利回りが最低限必要になるのかなど、自分の投資計画をきちんと立てたうえで安定した運用を目指しましょう。

新NISAを活用した教育資金の形成においては、リスクを適切に管理することで、目標達成の可能性を高められます。

投資においては、元本割れのリスクを完全に避けることはできません。また、せっかく運用を始めても毎日値動きが気になってしまっては安心して生活が出来ません。そのため、自分のリスク許容度を正しく把握し、適切な運用戦略を立てておくことが重要です。

ここでは、リスク管理の基本について解説します。

運用商品は日々値段が変わるため、元本は保証されません。そのため、市場が大きく変動した時には、元本割れが発生する可能性は十分に考えられます。

特に教育資金は必要となる時期が決まっているため、引き出すタイミングが重要です。もし、引き出すタイミングで経済状況が悪化していた場合、損失が確定してしまう可能性も否定できません。

このような元本割れのリスクを抑えるためには、以下の2つが有効です。

  1. リスクの低い投資信託を選び、分散投資を行う
  2. 資金が必要な時期が近づくにつれて、より安全性の高い商品にシフトする

例えば、教育資金の引き出し時期が近づいたら、値動きの少ない債券型投資信託や定期預金に預け替えることを検討しましょう。

教育資金を投資で準備する場合、資金が必要になる時期に応じて投資商品を選ぶことが重要です。

短期間(5年以内)で教育資金が必要な
場合

  • 価格変動が大きい商品(株式など)はリスクが高いため避け、債券型投資信託やバランスファンドを選ぶのが賢明

長期間(10年以上)の運用が可能な場合

  • 時間を味方につけられるため、株式を含む投資信託や個別の株式銘柄などで積極的に運用することが可能
  • 長期間運用することで複利効果を活用でき、効率的に資産を増やせる

また、長期運用を前提とする場合でも、途中で必要になった時に備えて資産を一部現金化しておくのも有効な戦略です。

運用を始めるにあたっては、自分や家族のリスク許容度を把握しておくことが大切です。

リスク許容度は、以下の要素によって異なります。

  • 家計の収支状況(毎月の収支や貯金額)
  • 目標金額(必要な教育資金の総額)
  • 資金が必要になる時期(短期か長期か)

これらの要素を踏まえて、自分がどの程度のリスクを許容できるかを判断しましょう。

【リスク許容度に応じた投資商品の
選び方】

  • リスク許容度が低い場合→ 株式投資を避け、バランス型ファンドや債券型投資信託を活用する
  • リスク許容度が高い場合→ 成長投資枠を活用し、インデックスファンドや高配当株も検討する

無理な運用は心理的なストレスになるだけでなく、教育資金形成自体の計画が破綻するリスクもあるため、絶対に避けるようにしましょう。

ここまで、新NISAを活用した教育資金の準備方法を解説しました。しかし、どうしても投資にはリスクがあり、運用に一歩踏み出せないと感じる人もいるでしょう。リスク許容度は人によって異なり、元本割れのリスクを避けたいと考える人も少なくありません。

ここでは、投資をせずに教育資金を準備できる方法を紹介します。

学資保険:保障型を選べば、親にもしものことあっても、その後の保険料の支払いが免除される

学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備できる保険商品です。毎月決まった保険料を支払うことで、あらかじめ設定された時期に一時金や満期保険金が受け取れます。

契約者は親となり、受取人は親や子がなります。保障型を選ぶことで、親にもしものことがあった場合であってもその後の保険料の支払いが免除され、満期が来た時に保険金が支払われるというメリットがあります。ただし、学資保険は貯蓄性の高い保険ですが、途中解約すると元本割れのリスクがある点には注意しておきましょう。また、保険商品である以上、支払った保険料の一部は保証を受けるために充てられるため、資産運用だけで考えると効率が悪い場合があります。

定期預金:1,000万円までは元本が保証されており、安全に教育資金を貯められる

定期預金は、1,000万円までは元本が保証されており、安全に教育資金を貯められる方法です。満期まで預けることで、確実に資産を積み立てられるため、投資リスクを取りたくない人に向いています。

ただし、定期預金の利率は普通預金よりも高めに設定されるものの、現在の低金利環境では、ほとんど増やすことは期待できません。また、インフレに弱いという点にも注意が必要です。

そのため、どうしてもリスクを抑えながら、確実かつ安全に資金を貯めたい人におすすめです。

低解約返戻金型終身保険:保険料払込期間の解約返戻率を低くすることにより、保険料を安く設定できる

低解約返戻金型終身保険とは、死亡保険の1つで、保険期間が生涯にわたる他、保険料払込期間の解約返戻率を低くすることにより、保険料を安く設定できる点が特徴です。

払込期間が終了すれば、解約返戻金の額が払込保険料額よりも増えるため、少ない保険料で資金を準備したい人におすすめです。

ただし、学資保険と同様、またはそれ以上に途中解約すると大きく元本を損なうリスクがあるため、必ず払込期間まで保険料を払うことを前提として加入するようにしましょう。

財形貯蓄:給与から自動的に積み立てられ、積立期間が1年以上あればいつでも引き出せる

勤務先に財形貯蓄制度が用意されているなら、それを利用するのも1つの方法です。

財形貯蓄には「一般財形貯蓄」、「財形年金貯蓄」、「財形住宅貯蓄」の3種類があり、教育資金には「一般財形貯蓄」が利用できます。

財形貯蓄のメリットは、給与から自動的に積み立てられ、積立期間が1年以上あればいつでも引き出せる点です。ただ、金利は高くないため、大きく増やすことは期待できません。

個人向け国債:利子は定期的に支払われ満期までの保有しておくことで元本が受け取れる

個人向け国債とは、政府が個人向けに発行する債券で、発行時に利子と満期が決まっている点が特徴です。

利子は定期的に支払われる他、満期まで保有しておくことで元本が受け取れるため、非常に安定した運用商品といえるでしょう。

ただし、現在の国債の利率は低く、大きな利益を得ることは難しい点に注意が必要です。安全性を重視し、リスクを抑えながら教育資金を確実に準備したい人に適した商品です。

2023年末までジュニアNISAを利用していた人は、今後その口座をどのように扱えばいいのでしょうか?

ジュニアNISAの口座にある資金は、新NISAの口座へ直接移行(ロールオーバー)することはできません。

つまり、新NISAの口座で運用を続けたい場合、一度売却しなければならないのです。

そのため、ジュニアNISAの口座の資金をすぐに使用する予定がないなら、子どもが18歳になるまでそのまま運用を続け、非課税のメリットを活かすのが有効な選択肢です。

また、2024年以降は、ジュニアNISAの資産を年齢や理由に関係なく、非課税で全額引き出せるようになりました。

当面、資金の使い道が決まっていない場合はそのまま運用を継続し、必要に応じて資金を全額引き出し、新NISAでの再投資運用するのもいいでしょう。

教育資金として利用するなど、特定の目的があるなら、必要なタイミングに合わせて売却を検討する必要があります。

ただし、市場が低迷している時に売却すると、その分受け取れる利益が少なくなるばかりか、元本割れのリスクも否定できません。

既に運用成績が目的金額に達しているなら、売却して利益を確定しておいた方が安心です。ただし、ジュニアNISAの口座から資金を引き出す時は、一部ではなく全額引き出さなければならない点に注意しておきましょう。

新NISAを利用して教育資金や将来の資産形成を計画するに当たり、「どの運用商品を選べばいいのか」「どのくらいのリスクを取るべきなのか」など、悩む人も多いのではないでしょうか。

そんな時に頼りになるのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)です。IFAは特定の金融機関に属さず、中立的な立場で投資アドバイスを提供してくれる専門家です。

IFAに相談することで、資産形成の目標や家計状況に応じた最適な投資プランを提案してもらえるため、初心者から経験者まで幅広い層におすすめです。

新NISAを始める際に不安に感じる人は、ぜひIFAの無料相談を活用し、自分に合った運用方法を見つけましょう。

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